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Johnson Japan/Korea Trek 2019のご報告

トレック概要

Johnson MBAではWinter Break(12月中旬~1月中旬)及びSpring Break(3月下旬~4月上旬)の2回のタイミングでInternational Study Trips(トレック)が開催されており、これらトレックは選択科目の一つとして扱われるため、参加すると1.5単位が取得できます。単位が取得できるということもあり、Johnsonの各トレックでは観光よりは企業訪問や文化体験プログラム参加、現地でのグループワーク等が内容のメインとなっており、事前及び事後の課題も課されます。これらトレックの一つとして、例年Winter Breakには日本を目的地の一つとしたトレックが開催されており、年によって韓国とあわせてJapan/Korea Trekとなることもあれば、日本のみを目的としたJapan Trekとして開催されることもあります。この日本を目的地としたトレックは、毎年Mark Milstein教授(日本在住経験有り、SGE Immersion担当教授)指揮の下に開催され、恒例として日本人在校生2年生がティーチングアシスタント(TA)として加わり、企画立案及び現地引率をリードすることとなります。

さて、今年も日本を目的としたトレックが以下の通り開催されました。

  • 開催日:2019/12/12(木)~2019/12/22(日)
  • 目的地:日本及び韓国

目的地が日本及び韓国の今年はJapan/Korea Trekの名称で開催され、いずれも2 year MBAプログラムの2年生から日本人2人、韓国人2人の計4名がTAとして参加し、事前準備及び現地引率を行いました。今年は学校スケジュールの都合で2-year MBAプログラムの1年生は参加できず、参加対象は同プラグラム2年生、1 year MBAプログラムの学生及びTech MBAプログラムの学生だったのですが、参加募集を行った翌日には定員であった30名に達すほどの人気を博し、最終的にはTAを含め合計33名(2 year MBAプログラム22名、Tech MBAプログラム11名)の参加となりました。旅程は以下の通りで、韓国ソウルから始まり、大阪、京都、東京の順で周りました。

行程表(概要)

日程

都市

行程概要

2019/12/12()

ソウル

各自到着

2019/12/13()

ソウル

会社訪問

2019/12/14()

ソウル

文化体験イベント/アラムナイディナー

2019/12/15()

ソウル

フリーデイ

2019/12/16()

ソウル/大阪

会社訪問/大阪へ移動

2019/12/17()

大阪/京都

文化体験イベント

2019/12/18()

京都/東京

フリーデイ

2019/12/19()

東京

会社訪問/アラムナイディナー

2019/12/20()

東京

会社訪問

2019/12/21()

東京

フリーデイ

2019/12/22()

東京

解散

12/12(木)~12/16(月):【ソウル】

Johnsonのいずれのトレックにおいても、参加者は各自現地集合現地解散となるため、参加者は現地IN/OUTの航空券を自分で手配する必要があります。今回のJapan/Korea Trekもその例に漏れず、12/12(木)の夜にソウル市内のホテルへ集合するところから幕を開けました(ただしTech MBAの学生はテストの都合で翌12/13(金)早朝にソウル入り)。当日にアメリカから直接移動してくる者もあれば、事前に既に韓国入りしていた者もありましたが、皆無事にソウルに到着し、その日は参加できるメンバーで韓国料理のグループディナーを行いました。

翌日12/13(金)は一日中会社訪問に割り当てられ、Amore Pacific、LB Investment及びKooksoondangの3社を訪れました。Amore Pacificは韓国発の化粧品メーカーで、CEOがJohnson卒業生です。同社では会社紹介や世界の各市場での市場戦略等の説明に加え、施設ツアーも行われました。次に訪れたLB Investmentは家電メーカーのLGから枝分かれしたVCで、LGの創業家出身かつJohnson卒業生という同社会長から会社紹介及び現在のポートフォリオ紹介が行われました。同社が韓国外で行っている中国企業への投資案件やK-popで人気を博すBTSデビュー初期に出資を行った話に、学生たちは興味深く聞き入っていました。そして、この日最後に訪れたのはKooksoondangというソジュやマッコリといった韓国伝統酒の研究・開発を行っているメーカー。各種韓国伝統酒の製法や歴史の説明だけではなく、試飲も行うことが出来ました。その後は希望者を募り、韓国焼肉へ行き大盛り上がり。韓国でのアクティビティ初日を成功裏に終えることが出来ました。

12/14(土)は朝から景福宮等ソウル市内の歴史的名所を巡り、午後からは韓国仏教の住職指導の下、韓国伝統食の調理・試食体験イベントへ参加しました。この日のメニューは寺院で食べられているという肉を使わないチジミ。韓国料理を作った経験のある学生は少なく、料理が美味だったこともあり、皆良い体験ができたものと思われます。この日の最後は、Johnsonの卒業生及び受験生を招いてのアラムナイディナーで締めくくりました。

12/15(日)はフリーデイでしたが、韓国人TAがソウル市内の見所を巡るオプショナルツアーを開催し、多くの学生が参加していました。夜には韓国での最後の晩餐として、韓服の無料貸し出しもある韓国の王宮料理レストランへ伺いました。

さて、韓国最終日の12/16(月)は再び会社訪問にあてられ、CJ E&Mを訪れました。同社は、サムスン電子から枝分かれしたCJグループが設立したエンターテイメントおよびマスメディア企業で、2011年に設立されました。同社では会社紹介に加え、K-pop文化の海外輸出戦略について説明があり、昨年話題となった映画Parasiteの海外展開を推し進めた話等を皆真剣に聞き入っていました。その後、この日は仁川国際空港から関西国際空港に移動し、大阪のホテルへ宿泊、グループディナーとしてお好み焼きを頂きました。韓国から移動してきたこともあり、ディナー終了は夜遅くなってしまったにも関わらず、皆日本についたということで張り切っており、多くがクラブやバー等夜の街へ繰り出していきました。

12/17(火)~12/18(水):【京都】

12/17(火)朝に大阪から京都へ移動し、皆で金閣寺と龍安寺を訪れた後、午後には嵐山へ移動しました。嵐山ではお寺の一室をお借りし、現地の伝統工芸作家指導の下、螺鈿細工の絵付け体験を行いました。丁度今回訪れたタイミングは、京都・嵐山花灯路の開催期間だったこともあり、絵付け体験修了後は各自ライトアップされた渡月橋や竹林の小径等を訪れ京都の夜を満喫していました。

12/18(月)は京都でのフリーデイ(自由行動日)としていましたが、日本人TA2名にてオプショナルツアーを催行し、伏見稲荷大社から始まり、三十三間堂、清水寺と巡り、祇園花小路にて終了となるコースを辿りました。夜には京都駅近隣にてすき焼きのグループディナー(食べ放題)を開催。旅を通して一番美味しい食事だったという声も出る程好評で、意外にも生卵を使うことにそれほどの抵抗は見られず、すき焼きの味はアメリカ人の舌にあうのだという発見が印象的でした。すき焼きの後に新幹線で東京へ移動したため、到着は夜遅くなってしまい、連日夜遅くまで活動していた疲れもあり、皆この日は外出せずホテルで大人しくしていたようです。

12/19(木)~12/22(日):【東京】

Japan/Korea Trekの最終目的地である東京では主に会社訪問に時間を割くこととなりました。東京初日の12/19(木)には、ボルボジャパン、キユーピー、星野リゾートの3社を訪問しました。ボルボジャパンでは同社の説明だけではなく、日本のマーケットの特徴と今後の展望、そのマーケットに適応するため同社はどのような戦略展開を行っているのか等といった説明も詳細に行って頂き、参加した学生たちが他社を訪れる事前知識として日本市場を理解することが出来ました。その後訪れたキユーピーでは、同社会長がJohnsonの卒業生かつ日本人卒業生会のトップということもあって毎年トレックでの訪問を受け入れて頂いており、米国の上場企業と日本のファミリービジネスとの違い等多くの質問や議論が交わされました。この日最後に訪問した星野リゾートでは、Cornellホテルスクール卒業生である同社社長より、同社紹介からホテルREITの仕組み、業界の構造といったことから、同社の強みとしての効率的オペレーションについてといった話しがあり、皆興味深く聞き入り議論も活発に行われました。この日一連の会社訪問が終わった後には、日本の卒業生及び受験生を招いてのアラムナイディナーが開催され、総勢70名近い参加者にて大盛況の会となりました。前日夜にしっかり休息したということもあり、皆この後はクラブやバー等思い思いに東京の夜を楽しんでいました。

トレック最後の平日である12/20(金)には、午前中にクールジャパン機構を訪れ、同機構の概要やポートフォリオ紹介、今後の投資対象等について議論を交わした後、午後には佐渡を本拠とし世界中で活躍する伝統的和太鼓パフォーマンス集団である鼓童の創設者を訪問しました。同団体の説明や質疑応答の後には、丁度このタイミングで行われていた同団体の東京公演を拝聴させて頂き、力強い太鼓の技と映像美的な躍動感ある動きとの融合とが織りなす、息をのむようなパフォーマンスに皆圧倒されていました。同公演の後にはこの日最後の訪問場所として、お台場のteamLabボーダレスミュージアムを訪れ、各自素晴らしいデジタルアートの数々を堪能した後、この日は解散となり、各自思い思いに東京の夜を過ごしました。

12/21(土)は一日フリーデイとなっており、それぞれが思い思いの場所を訪問しました。トレック最終日の夜ということで、ディナーには皆で東京湾での屋形船クルーズを行いました。たまたま土曜ということでお台場での花火が行われており、船から花火を観賞した後はカラオケ大会で大盛り上がり。最後を締めくくるにふさわしい盛大なグループディナーとなりました。もちろん、その後2次会3次会と、皆明け方まで東京の夜を満喫したことは言うまでもありません。

最終日の12/22(日)は解散日。引き続き日本に残る者、他のアジアの国を旅して帰る者、アメリカや他国にある実家に戻る帰省する者、イサカ/NYCへ戻る者等、皆それぞれの目的に従い旅立っていき、Japan/Korea Trek は成功裏に幕を閉じることができました。

最後に

日本と韓国という製造業にて名の知れた2カ国へのトレックでしたが、折角訪れるのであればそういった広く知られた部分だけではなく、マーケティングや小売り、エンターテイメント、ホスピタリティといったあまりアメリカでは知られていない部分にも目を向けてほしいとの想いからプランを組んだ結果、訪問した会社の多くは非製造業ということ今回の旅程が出来あがりました。10日間という短い期間で2カ国4都市を巡る弾丸ツアーで、一日一日のスケジュールも朝から晩までぴっちりと詰め込まれており、突然のトラブル等もある中大勢を時間通りに動かすことは困難を極めましたが、結果的に参加した33名には充実した学びの多い時間を過ごしてもらうことができ、成功裏にトレックを終えることが出来ました。これもひとえに、イサカでTAとしての事前準備をサポートしてくれた学生達や家族、日本側で学生の訪問を受け入れて下さった卒業生及び各社の皆様、ホテル手配をお手伝い頂いた旅行代理店の皆様、アラムナイディナーにご参加頂いた卒業生や受験生の皆様、そして参加してくれた学生達と教授、他のTAといった多くの皆様からサポートを頂けたお陰であり、ここに感謝の意を表します。

 

※文中の写真はクラスメイトがトレック中に撮影したものの一部です。